・ヨガ哲学の八支則って何?
・ヨガ哲学初心者にもわかりやすい八支則を学びたい
・八四則(アシュタンガ)に順番とか意味があるの?
今回は初めてヨガ哲学を学ぶ人や、難しそうと感じている人に向けて、ヨガ哲学「八支則(はっしそく)=アシュタンガ」をわかりやすくご紹介します。
【ヨガ哲学】八支則(はっしそく)=アシュタンガについて
ヨガを長くやっている人は、ヨガは身体を動かすポーズだけでなく、哲学・呼吸法・瞑想法などがあることを聞いたことがあるのではないでしょうか?
その教えを8つの段階に分けたものを「八支則=アシュタンガ」と言います。
現代における「ヨガ」という言葉はポーズを取ることを指していますが、古代から伝わる「ヨガ」はより生きやすく幸せになる為の方法を伝えるものでした。簡単に言えば、生きる為のバイブル的な存在でした。
ヨガ八支則(アシュタンガ)の概要と順番
まずは、八支則(アシュタンガ)の内容を見ていきましょう。
古代から伝わる八支則(アシュタンガ)の教えでは、第1段階目から第8段階目まで順番に行うとされています。現在多くの人が行っている、ポーズを取るヨガは、第3段階のアーサナ(座法)に当たります。つまり、アーサナ(座法)の練習を行うことは、その前段階である「ヤマ・ニヤマ」の実践が出来ていることが前提となっています。
- 第1段階ヤマ:禁戒(行わない方がいいとされること)
- 第2段階ニヤマ:勧戒(行った方がいいとされること)
- 第3段階アーサナ:座法
現代における「ヨガ」はこのアーサナ(座法)を指す。もともとは多様なポーズにより、瞑想を行うために身体を整える目的で行われていました。
- 第4段階プラーナーヤーマ:調気
呼吸を通して自分を整えることを目的に、呼吸法を学びます。
- 第5段階プラティアーハーラ:制感
自身の内側へ意識を向けることが出来るよう、感覚器官をコントロールする術を身に付けること
- 第6段階ダーラナー:集中
自分自身を何か一つのものに集中できる状態にコントロールできること
- 第7段階ディヤーナ:瞑想
第六段階の集中力が持続し、外界からの影響を受けない自分でいられる状態
- 第8段階サマディー:三昧
第1~7段階が全て実践された状態で、ヨガの最終目標とされる幸せな状態
八支則=アシュタンガ 8段階の詳細
八支則には、段階ごとの達成目的があり、その実践方法も細かく記されています。8段階は大きく3つのカテゴリーに分類できます。それは、「自身の生活・身の回りを整ること」「身体を整えること」「心を整えること」の3カテゴリーです。
古代から受け継がれるヨガの最終目的は「幸せで穏やかな自分で生きられること」で、その目的を達成するために、この八支則全ての実践が必要です。
ここでは、八支則それぞれの段階の意味(解釈)をご紹介します。
八支則第1.2段階:「ヤマ・ニヤマ」日常生活や身の回りを整える
第1.2段階の「ヤマ・ニヤマ」は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?「ヤマ・ニヤマ」には、合計10個の教えがあり、普段の暮らしや考え方を整えるための教訓です。
ヨガでは、ポーズの練習や呼吸法の学習の前にまず、日常生活や習慣を見直すことから始めることとされています。
八支則第3~5段階「アーサナ・プラーナーヤーマ・プラティヤハーラ」:身体を整える
「ヤマ・ニヤマ」で生活習慣を見直すことが出来たら、次は身体を整える段階に移ります。現在、私たちが一般的にイメージする「ヨガ」は、八支則の中の3~5段階を指しています。
第3段階:アーサナ(座法)
いわゆる現在の「ヨガ」のことで、様々なポーズを行うことで身体の不調や歪みに気づき整えることです。この後に続く(第6段階以降)長時間の瞑想にも耐えられる、安定した身体づくりが目的とされています。身体と心は繋がっているので、身体を整えることで心を整える目的もあります。
第4段階:プラーナヤーマ(調気法・呼吸法)
プラーナヤーマとは、簡単に言えば呼吸を整えることです。呼吸調整を通して、身体や心を整えることが目的とされています。(例えば緊張をほぐす為に深呼吸をするなどは、呼吸で心身を整ええていると言えます。)
深い呼吸を行うためには正しい姿勢が保つことが不可欠ですので、プラーナヤーマの前段階にアーサナを行う八支則の順番は理にかなっていると言えます。
第5段階:プラティヤハーラ(制感=感覚の統制)
プラティヤハーラとは、味覚・聴覚・視覚など五感を通して外側から入る出来事に対して、自分をコントロールする訓練です。少しわかりにくいので下記例をご覧ください。両者同じ結果を選択していますが判断する過程が異なっています。
【プラティヤハーラの例】
美味しいものを1つ食べた時
【パターンA】
すっごく美味しい!!
わ~い!もっと食べちゃおう!
↓↓↓
結果的に「食べる」
感覚にコントロールされている状態
プラティヤハーラ(感覚の統制)が出来ていない状態
【パターンB】
「すっごく美味しい!!
もっと食べちゃおう!」
と感じてる私がいるな・・・。
このまま食べる?
夕食前だからやめておく?
↓↓↓
結果的に「食べる」
感覚を客観的に判断できている状態
プラティヤハーラ(感覚の統制)が出来ている状態
このように、プラティヤハーラは感覚・感情に左右されない心の強さを育てることが目的です。これが出来ると、自分の外側の影響に惑わされないブレない自分軸を持つことができます。
八支則の第五段階は、身体を整えるシーンから心を整える段階への転換期と言えます。
八支則第6~8段階「ダーラナー・ディヤーナ・サマーディー」:心を整える
八支則の6段階目からは、心(精神)を整えるステージとなります。これまでの段階とは異なり、段階ごとに区切りはなく、一連の心の流れと考えられています。
第6段階:ダーラナー(集中・精神統一)
ダーラナは、八支則の心を整える最初の段階です。何か1つの対象物に意識を集中させる練習です。自分の意志で、集中力を高めることが出来るようになります。
第7段階:ディヤーナ(瞑想)
ディヤーナは、前段階のダーラナの状態がさらに深まった瞑想状態のことです。ダーラナでは自分の意志で集中力を高めていましたが、ディヤーナではそのような努力をしなくても集中を継続出来ている状態のことを言います。
プラティヤハーラ(感覚の統制)とダーラナ(集中・精神統一)がさらに深まり、自分の外側からの影響を受けずに心を穏やかに保たれている状態です。
第8段階:サマーディー(三昧・悟り・超意識)
ヨガの最終目標とされている状態です。悟り・解脱などともいわれます。わかりやすく言えば、無理に瞑想しようと座禅をしたり、感情に支配されないようにしようと意識的に努力しようとせずとも、無意識のうちに出来ている状態です。
八支則1~7段階全てが無意識のうちに実践できた状態がサマーディー(サマディー)と言われます。
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ヨガ八支則(アシュタンガ)の歴史
ヨガの八支則(アシュタンガ)は、紀元前4~5世紀ごろにパタンジャリ氏によって書かれた書物「ヨガスートラ」に、ヨガを実践するため8段階の方法として記されています。いわゆる、ヨガの実用書がヨガスートラと言えます。
ヨガ自体は紀元前4500年頃にインドで誕生し、ヨガスートラの誕生までは口頭で伝承されていたと言われています。
そんな古代の伝承にも関わらず現代社会に於いても役立つ教えが多く、実は人間は古代からあまり変わっていないのかもしれない…と考えさせられました。
ヨガ八支則(アシュタンガ)の意味と目的
サンスクリット語の意味
八支則(アシュタンガ)とは、サンスクリット語で8つの枝という意味があります。(「アシュタ=8個、8つの」、「アンガ=枝」)
八支則(アシュタンガ)の目的
古代から伝わるヨガは、人生をより生きやすく幸せに暮らすことを目的に行われていました。ヨガ八支則とは、そのようなヨガの実践方法を8段階に分け、具体的なやり方を示した教科書と考えるとわかりやすいです。
ヨガの語源はサンスクリット語で「ユジュ」と言い、日本語では「繋ぐ」という意味があります。私たち人間は、生活習慣・身体・心全てを影響しあって「自分」が成り立っています。7段階のステップを実践し整えた後、最終段階において全てを繋ぎ合わせることで、人生が生きやすく幸せに暮らせるというヨガ本来の目的が達成されるのです。
パタンジャリ氏のヨーガ・スートラに興味があればこちらです
少し難解ですが、興味のある方は是非!
八支則の教えを日常生活に取り入れる方法
古代から脈々と伝わるヨガ哲学は、現代にも役立つ教えが沢山あります。特に第1・2段階の「ヤマ・ニヤマ」は、現代の日常生活に置き換えることが出来るので必見です。
ここでは、実際に八支則を日常生活に取り入れる方法についておすすめの考え方をご紹介します。
八支則をオフ ザ マットという考え方で活かす
オフザマットとは、マットの上で学んだことや気が付いたことをマットの外(=オフ ザ マット Off the mat)で活かしていこうという考え方です。
例えばヨガのポーズをした時、左右差があることに気が付いたり、いつもと同じポーズなのに今日は上手くポーズが出来ないことなどの経験はありませんか?
左右差があるのはもしかしたら、日常生活でいつも片方に負担がかかっているかもしれません。
同じポーズが出来ないのは、今日はあまり調子が良くないのかもしれません。
そんなことに気が付いて普段の生活を気を付けることが出来たら…不調を早めにケア出来たら…その後の自分の身体や体調が変わります。
だからこそ「マット上での経験をマットの外で活かす」ことはとても大切な事です。
八支則から自分軸を考える方法
ヨガ八支則の実践は、自分を知るきっかけとなります。ヤマニヤマの実践を意識してみると、どちらの教えを優先させるのか?という壁にぶち当たります。
例えば、風邪気味で学校を休もうとした時、無理して学校に行けば自分への暴力(アヒムサ)にもなるけれど、学校を休むことは学習(スヴァディアーヤ)や苦行(タパス)が実践できないことになるかもしれません。そのボーダーラインを付けるのは、他の誰でもない自分自身なのです。
何かの選択を迫られた時、進路を決める時などに八支則を元に物事を考えてみてください。その繰り返しで、自分軸を確立することができますよ。
【まとめ】ヨガ八支則
今回はヨガ八支則について、初めてヨガ哲学を学ぶ方にもわかりやすくお伝え出来るように記事にしました。
是非、ヨガ八支則を学び、生き生きとした人生を送ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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〇「やさしく学ぶヨガ哲学シリーズ」の著者
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