
【こんな方におススメの記事です】
・サントーシャ(知足)の意味を知りたい
・サントーシャ(知足)の具体的な実践方法はあるの?
・サントーシャ(知足)でどんなメリットがあるの?
・ヨガ哲学を初めて学ぶ方
今回は、ヨガ八支則「ヤマニヤマ」のひとつサントーシャ=知足について解説します。
ヨガにはポーズを取るだけではなく生き方を学ぶヨガ哲学があります。サントーシャ(知足)とは、「ヤマニヤマ」10個教え中の、「ニヤマ=行った方がいい事」の一つです。今回はサントーシャ(知足)の解釈と実践方法、メリットについてわかりやすく解説したいと思います。
↓ヨガ八支則とヤマ・ニヤマについてはこちらの記事をご参照ください↓
【ヤマニヤマ】サントーシャ=知足について
サントーシャ(知足)とは、ヤマニヤマの「ニヤマ=行った方がよいとされる教え)」の2番目の教えです。日本語では知足(読み方:ちそく)と言い、「足るを知る」と訳されます。
サントーシャ=知足の考え方
サントーシャ(知足)によって、無上の喜びが得られる
と記載されています。(ヨーガスートラ第2章42節)
解説には…
“知足(足るを知ること)”の結果として、人は無上の喜びを得る。これでわれわれは、知足と満足の違いを理解しておかねばならない。知足とは、幸福を求めて外界に赴く事なく、ただあるがままであることである。 もし何かが来るなら来るがままにさせる、こなければそれも良し。知足とは、好悪のないことである。
ヨーガスートラより
パタンジャリ氏のヨーガ・スートラに興味があればこちらです
少し難解ですが、興味のある方は是非!
サントーシャ(知足)と満足の違い
ヨーガスートラにも記載があるように、「満足」と「知足」には全く違う意味があります。
〇満足…足らないものを満たすことにより、満たされた気持ちを得る事
〇知足…既に現状に不足しているものはなく、あるがままで満たされた気持ちを感じる事
同じように満たされた感情を持っていても、無いものを満たすことで善悪や幸せを判断し、足らないものを埋めることで心を満たそうとしていると欲望の無限ループに陥ります。今の現状・環境をそのまま受け入れる事がサントーシャ(知足)の考え方です。
【ヤマ・ニヤマ】サントーシャ(知足)の実践 よくあるNG集
サントーシャ(知足)が実践できていない人は、下記のような間違った考え方や判断基準を持っている人です。
物事を肩書や数字で判断する

世の中には、肩書きや数字が溢れています。
このように、肩書きや数字で物事を判断していませんか?
もちろん誰かの憧れる職業についたりや驚異的なフォロワー数を獲得するには、圧倒的な努力が必要で、それ自体を否定する考え方ではありません。「足るを知る」という本来の解釈は、その肩書きや数字で物事を判断しないことです。
幸せに条件を付ける
このように肩書きや数字で物事を判断していると、自分自身の幸せにも条件を付けるようになります。
条件付きの幸せとは、その条件を達成できない人は幸せではないという考え方です。例えば、家が手に入れば、もっと広い家が欲しくなり、広い家が手に入れば次は庭付きの家、その次は高級住宅街と言われる場所に住みたい…など、その欲求はどんどん膨らんでいきます。何か足りないものを見つけてはそれを持っていない自分が不幸だと感じ、いつまでも満足できないパターンに陥ります。
これもサントーシャ(知足)の実践が出来ていない状態です。
★初めてヨガ哲学を学ぶなら yoginiがおススメです★
かわいいイラスト・図解付きで分かりやすいです!
誰かと比較する

最後のサントーシャ(知足)NG集は、条件付きの幸せの考え方からさらに重症化したパターンで、常に自分にはないものばかりに注目し、それを持つ人と持たない自分を比べてしまう状況です。
思い当たるフレーズはありませんか?誰かと比べることで、その人を目標とし自分の励みになる場合は許容範囲ですが、比べることで落ち込んだり、嫉妬心を持つ場合は考え方を見直しましょう。
【ヨガ ヤマニヤマ】サントーシャ(知足)の実践方法

NG集からわかるのは、サントーシャの実践が出来ていないと、どんどん卑屈になり、幸せからどんどん遠ざかってしまう事です。
ここでは、そんな自分にならないように具体的なサントーシャ(知足)の実践方法をご紹介します。
STEP①当たり前を疑おう!自分の有るものに気が付く
サントーシャの実践で一番大切なのが、自分の今あるものに気が付くことです。自分が持ってるものやすぐ側にあるものに対しては、つい「当たり前」と思ってしまいがちです。しかし、実際には「当たり前の事」などひとつもありません。自分の周りにあるものをもう一度見直してみませんか?
私たちが見ているのはその人のほんの一部で、それだけを見ると羨ましく思えるかもしれませんが実際のところはわかりません。
是非、自分の特技や好きな事に目を向け、それが出来る自分を褒めてみて下さい。今自分が当たり前にだと思っていることも、実は当たり前ではありません。スマホが触れる、パソコンが打てる、健康な身体がある、持っていない人からすればものすごく羨ましいものです。

STEP②比べるのはいつも過去の自分
誰かを見て羨ましいと思う事自体が悪いことではありません。羨ましい気持ちをバネに、自分の目標に向かって努力できる場合もあるからです。
しかし、その気持ちが、いつの間にか嫉妬心や自分を憂鬱な気分にさせるものへと、変わった場合は注意が必要です。その為、サントーシャの実践では人と比べるよりも過去の自分と比べることがお勧めです。
STEP③自分や環境に感謝の気持ちを持つ

サントーシャ(知足)実践が出来てくると、次第に自分の有るものに目が行き、それに感謝の気持ちが出てくると思います。
・今日仕事に行けること
・今日楽しくヨガができたこと
・今日家族と楽しく過ごせたこと
・今日無事に自分の家に帰って来れたこと
この中のどれをとっても「当たり前」の事はひとつありません。実は、普段の日常を送れることは特別な事です。自分の周りの家族や仲間、自分が持っているもの、今ある環境、その中の何か一つでも欠けると同じような生活は出来ません。
そう考えると今ある自分の身体や環境に感謝の気持ちを持って過ごすことが出来るようになります。そしてそれこそが、サントーシャ(知足)の実践と言えます。
サントーシャ(知足)を実践するメリット
サントーシャ(知足)を実践出来ると、沢山の喜びに気付くことが出来、幸福度の高い毎日を送れるという効果が表れます。
例えば、全く同じ環境のAさんとBさんがいたとします。しかし、持っているものや環境も全て同じだからと言って、2人ともが同じように幸せを感じているとは限りません。

私の友人は、素敵な洋服を沢山持っているし、おしゃれなカバンも私より沢山を持っている。私はまだ足りない。
私の家は、毎年1回くらいしか家族で近くの温泉に旅行に行くこと位しかできないけど、会社の人は毎年海外旅行に行っている。いいなあ。

私には、自分に合った洋服もカバンもある。楽しく一緒に過ごす家族もいる。幸せだなあ。毎年1回、家族みんなで旅行に行けることもとても楽しいな。本当に私は恵まれているな。
このAさんのように、全く同じ状況であっても、自分の無いものもに目を向ければ、まだ足りない、まだ足りないと満たされることはありません。逆にBさんは、自分のあるものに目を向けて、沢山の喜びを見つけ幸せを感じることが出来ています。どちらが毎日を楽しんで機嫌よく過ごせるかは説明するまでもありませんよね!

サントーシャ(知足)のこぼれ話
私が通うヨガのインストラクターのクラスで「キラキラ女子」というフレーズがピッタリの「エリちゃん」というお友達に出会いました。いつ会っても笑顔で楽しそう、そして自分が楽しむだけでなく、周りにもその楽しさを伝染させていくようなエリちゃん。彼女がいるだけで、周りの人がみんな笑顔になって教室が明るくなるような、太陽のような人です。
そのエリちゃんと食事をした時に
「私はいつも出会い運が圧倒的に良いんだよね~。今回のヨガの講義でも、いい人ばかりと同じクラスだし、ここのスクールは会う人会う人何でこんなにいい人ばかりなんだろう、って逆にすごいなって思ってる。今回も私の出会い運に感謝してる ~!」
ってすごくキラキラしながら楽しそうに話していました。
もちろん私も同じクラスで環境は同じです。しかしそんな出会い運に感謝できる程素敵な出会いを経験したなんて、正直感じてはいませんでした。
この違いは何だろう?と考えたときにハッとしました。きっと、エリちゃんと私は同じ時間を過ごしていたにもか関わらず、彼女は私よりクラスメイトのいいところを沢山見つけていたんだと思います。
【まとめ】ヤマニヤマ「サントーシャ=知足」
今回は、ヨガ八支則「ヤマニヤマ」の一つサントーシャ(知足)について解説しました。
サントーシャ(知足)を実践するメリットは、喜びが増え幸福度の高い毎日が送れることです。
人は幸せになりたくて、幸せになるために自分に足りないものを探したり、誰かと比べて不足しているものを埋めようとしたりしがちです。
でもサントーシャ=知足とは、今あるものや自分の今の環境の中から幸せを探す事です。
同じ時間を過ごすなら、不幸探しをするより、幸せ探しをしたほうが圧倒的に楽しく充実した時間を過ごすことが出来ます。そして、その時間の過ごし方は自分の心の持ち方で、好きな方を選べるのです。
ヨガと出会う前までの私は、人と比べて自分の不幸探しばかりしていました。自分の今の状況に目を向けず、誰かと比べて私の仕事は給料が少ないとか、何にもチャレンジしていないのに私にはあの人みたいに夢中になれる趣味がない、などと無いものばかりを探していました。いつも満たされない気持ちで過ごしていたように思います。そしてその足りないモノを必死で埋めようとしたり、「他の誰か」のマネをして過ごしていました。さらに、私の周りには頼れる人がいないとか、新しいことにチャレンジする環境なんてないとか、全て周りのせいにしていました。もちろん、そんな不幸探しの人生は全く楽しくありませんしうまくも行きません。むしろ苦痛で辛くなるばかりでした。
サントーシャ(知足)の教えに出会ってからは、とても楽に生きられるようになりました。足りないものを手に入れる努力はもちろん大切です。
ですが、今あるものにも目を向けて、今出来ていること、得意なことがある自分のことを認め、そして褒めてあげてください。また、自分の周りにいる家族や仲間のおかげで、今こうやって生活ができていることにも感謝をしてみてください。きっと、一番ご自身が楽しく、そして楽に生きられるようになりると思います。
P.S「相田みつを」さんの「しあわせはいつも」
最後に・・私の大好きな相田みつをさんの言葉をご紹介します。
私がヨガを始めた年に開催されたチラシを、私はまだ持っています。(笑)

\ヨガ哲学がオンラインで学べる/
アンダーザライト「UTLYOGA(旧ヨガ放題)」
向井田みお先生から直接学べるチャンスです!!
向井田みお先生は…
〇「やさしく学ぶヨガ哲学シリーズ」の著者
〇アンダーザライトの講師
セミナーに参加させていただきましたが、とても分かり易く、そして親しみやすい先生でした。
お話し中クスっと笑ってしまうようなたとえ話も多く、難しいイメージの哲学が楽しく学べます!
UTLYOGA(旧ヨガ放題)公式ホームページ
ヨガ放題をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです
→UTLYOGA(旧ヨガ放題)の口コミ・評判|おすすめしない人もいる?悪い口コミも全て見せます!
コメント
はじめましてブログ・ランキングから来ました。
ヨガに足るを知るという教えがアルとはしりませんでした。
ヨガってとても奥が深いのですね。
参考になりました。
You Akita 様
はじめまして。miwaです。
ブログをお読みいただき、さらにコメントまで頂きありがとうございます。
とても嬉しいです。
ヨガには「ヨガ哲学」という教えがあり、本当に奥が深いです。
もしご興味がありましたら、是非いろいろと読んでみてください!
日常に活かせる知恵や考え方があります。
また、是非よろしくお願いします。