こんにちは。ヨガインストラクターのmiwaです。
「ヨガ」と聞くと、何を想像しますか?何だか難しそうなポーズを取る姿や瞑想する姿、ほとんどの方がそんなことを思い浮かべると思います。私も自分がヨガを知るまではそんなイメージでした。しかし、実はヨガには単にアーサナ(ポーズ)を取るだけのものではなく、日常を生きやすくする知恵や考え方などを学べるヨガ哲学(ヤマニヤマ)があります。
今回は、ヨガ哲学において最終目標とされる「サマディー」についてお話したいと思います。

私個人的には、「サマディーを経験しよう」とか、「サマディーの状態になりたい!」とそのことばかりに意識を向けない事が、実はサマディーへの、つまり幸せへの一番の近道だと思っています!
【ヨガ八支則】の最終段階サマディーって何??
ヨガ八支則における「サマディー」とは下記の通り最終段階に位置しています。逆に言えば、サマディーの状態になる為に1~7までの段階があるとも言えます。
日本語では、「三昧・悟り・超意識」などと訳されていますが、サマディーの状態になるとは、わかりやすく言えばヨガの最終目標である「幸せで穏やかな状態」でずっといられることだと思います。
悟り・超意識=ヨガが定義する幸せの状態
三昧=そればっかりが続いている状態
と考えるとわかりやすいと思います。
【ヨガ八支則】ヨガが教えてくれる幸せの定義とは?

あなたにとって「幸せ」って何ですか?

・家族で仲良く暮らす事
・お金がたくさんあること
・社会的な地位が高い事
・好きな人とずっと一緒にいられること
・旅行に沢山いける事
・贅沢な料理を毎日食べられること
・プール付きの大きな家に住むこと
ん~。一般的にはそんな感じかな・・・。
もちろん十人十色の考え方があると思います。
しかし、ヨガが教えてくれる幸せの定義、そしてヨガをする最終的な目標はコチラです。
YOGAS CHITTA VRITTY NIRODHAH
ヨガとは心の作用の死滅である

え??
何それ!!
どういう事??

そんな反応になりますよね~(笑)
でも実はこの言葉、ヨガを伝える古典「ヨガスートラ」(4世紀頃パタンジャリが書いた瞑想の経典)の一番最初に書いてあり、これが理解できればもう既にヨガスートラを学ぶ必要もないとまで書かれてあります!!(私は最初、全く理解はできませんでしたが・・・)
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ちょっと振り返ってみましょう。もし今いる職場に新しい人が入ってくるとします。その際、まだ話したこともなく、一緒に仕事をしたこともないのに、「何となく苦手な人っぽいな~」と感じる人もいれば、「優しそうな人だな」とか「仲良くなれそうだな」と感じる人もいます。
それはなぜでしょうか?
それは、人それぞれの過去の経験が異なり、その経験から生じた思い込みや常識が異なる為からです。同じ人を見ても、以前自分にひどい言葉を発した人と似ていると、きっとこの人もひどい人なのかもしれない・・・と感じる事はありますよね?実際にはもっと潜在意識のレベルで判断しているとも言われていますが、その経験の違いが印象の違いに繋がっているのです。
ヨガで言う「心の作用の死滅」とは、このような思い込みや常識を手放して(=死滅させる)、そのような影響を全く受けない心を持つことをいいます。さらにその心の状態がずっと続けられている事(=サマディ)が幸せな状態で居られると教えてくれています。
たまに、「感情を無くすこと」と理解されている方もいるのですが、大切なのは「心の作用の死滅」とは、感情を持たない事でも、その沸き上がった感情を押さえつける事でもありませんので、注意が必要です。
【ヨガ八支則】これがサマディーの状態!
そんな話を聞いても尚、本当にその状態が幸せ?って感じるかもしれません。
でも、最初に質問した「幸せの状態とは?」の回答は、とても流動的です。会社の倒産によってお金が無くなり、家も失い、好きな人もいつか居なくなってしまうかもしれません。
例えば、会社が倒産してしまいました。ほとんどの方は、「え?大変だね!可哀そうだね」と考えます。しかし本当に「倒産=不幸」でしょうか?。
「倒産」=「不幸・可哀そう・大変そう」というのは実は思い込みなのです。以前に倒産して家も手放してとても大変そうな話をTVで見たことがあるから、とか知り合いの会社が倒産して大変そうだったのを見て来たから、等の過去の自分の経験を元に判断をしているだけなのです。実際に大変な事もあるかもれしませんが、中にはそれがきっかけとなって、起業して今では大成功を収めているという人もいるかもしれません。
さらに言えば、倒産したときは「めっちゃ不幸」って思っていたのに、後から成功したら「倒産して逆に良かった」と考えが変わること、それ自体も「倒産」という事実に「感情」を織り込んで、さらにジャッジしています。
そのような心の状態だと、常に自分ではどうすることも出来ない外からの影響によって、幸せがどうかを判断しなくてはなりません。正直とても辛いですよね。ヨガでは、常に今の現状を受け入れることの出来る心を持っている状態であることが「幸せな状態」なんだよと教えてくれています。
「例えどんな出来事があったとしても、それによって自身の感情が一喜一憂するのではなく、どんな事実でも穏やかな心の状態で受け入れる事の出来る心の状態に、保つことが出来るように訓練しておきましょうね」と教えてくれていて、その実践方法が「八支則」だと私は感じています。
そして、いちいち意識しなくても、そんな心の状態で常にいられることこそ「サマディー」の状態だと思っています。
【ヨガ八支則】サマディーになろうとしないで!
以前に「サマディー」の状態を経験した!とっても気持ちよかった!と感想を聞いたことがあり、私もそんな状態になりたい!!って瞑想の時間を長くとったりしていました。
でも、ある時気が付いたのです。サマディーってなろうなろうとしてなれるものではないのです。
毎日八支則の①~⑦を実践し、それを繰り返していくことでいつの間にかサマディーの状態になっているのではないでしょうか?
誰かの言葉に心が動いてしまう事が、昨日は平常心を取り戻すまでに時間がかかったけど、今日は最初から心は動かなかった、、でも明日はまたわからない。。。そんな繰り返しが大切で、いつの間にかサマディーで居られる時間が伸びていく、、そんなイメージを今は持っています。
昨日より今日、今日より明日、そうやっていつも自分に向き合っていけたらいいですよね!最後までお読みいただきありがとうございました。
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